人気ブログランキング | 話題のタグを見る
自戒を込めて、これからのこと
すみません、大分時間が空いてしまいました。その間にも相変わらず株は乱高下を繰り返し、不穏な空気が漂っております。恐らく皆さん、敏感に大きな変化を感じ取っておられるのだと思います。ただ、それがあまりにも突然表面化したので、大きな節目という実感がまだ湧かないかもしれませんが。多分、歴史の大きな転換点って、後から歴史の教科書で見ると凄いことが急に起こったように思えても、毎日の時間の流れ自体は変わらないわけで、日々の変化はそれほど急に感じられないのかもしれません。

さて、これから起こりそうなことですが、これはあくまでも私の私見なので、その点よろしく。まず随分前から言っていたスタグフレ。つまり景気後退状態の物価上昇ですが、これはひとまず収束しそうです。一番の原因になりそうな原材料価格の高騰が収束すると共に、世界的に消費が冷え込みそうだからです。当分はデフレに逆戻りではないかと思います。

次に株。これは前回も書いたように、まだ大分落ちると思っています。株価決定の前提となるロジックに大きな修正が入ると思うからです。すなわち、現在の収益の15倍の時価総額を妥当とする考え方が通用しなくなると思います。株価算定の別の指標で、PBR(Price Book value Ratio)というのがありますが、これは会社を今精算して、資産をバラバラに売っ払うといくらになるか、という指標です。1が資産価値と時価総額が同等、1以下なら割安、以上なら割高という指標で、1を割っている株が多いので売られ過ぎという意見も確かにあります。ただ私は、株価が売られ過ぎなのではなく、資産価値が高止まりしているだけで、株価の戻りではなく、資産価値の暴落で修正が入ると思っています。

資産価値の下がり方に関しては、バブル崩壊と比較して、今回の方が恐ろしいと思っています。というのも、前回は単に土地への投機バブルが弾けただけで、真面目に商売していた人が痛んだわけではなかったのです。ですから、ある程度下がった後は、投資利回りという考え方で買いが入りました。つまり、そのビルを買ってテナントに貸して、空き室率がこれぐらいなら儲かるじゃん、という考え方です。先鞭をつけたのがREITと言われる不動産投資信託です。これは当然、テナントがそれを借りて、実際に商売をしたらその商売自体も儲かるという、実体経済の健全さに依存しています。

ところが、今回は、その実体経済自体の底が抜けてしまっているのです。つまり、その家賃じゃ商売にならない事態にまでなっているということです。何故でしょうか?

私が考えるに、当時と今とで大きく変わった点は2つ。1つはインターネットです。バブル崩壊当時は一般的にはインターネットなんて存在しません。95年以降にようやく普及が始まり、21世紀に入って爆発的に普及しました。これにより、空間的位置の価値が落ちたのです。つまり、場所なんかどうでもいい業種が増え、物理的陣取り合戦の意味が薄れたのです。当然家賃も下がります。今まで他で削っていたコスト(特に人件費)も限界に達し、ついに雪崩を打って家賃が下がるのです。もちろんその前に商売が倒れて空き室が増えるのが先ですが。

2つめはもっと大きなパラダイムシフトです。人の消費に対するメンタリティーが決定的に変わりつつあります。もはや欲望のままに消費することは善ではなく、いかに環境負荷を少なく生きるか、と考える人が増えたということです。今持っているものを、大事に長く使えば消費は減ります。でもそれで多分いいのだと思います。ようやく我々が生き残る道を見つけつつある、とポジティブに考えましょう。

とは言え、大変な時代がやって参りました。

あ、ちょっと待ってください。金利と円について書き忘れました。金利は上がらないと思います。正確に言うと上げられないでしょう。上げれば経済は即死、円は暴騰するからです。でなくても円高の流れは止められないと思います。すでに官民合わせて140兆円とも言われる外債投資は売るに売れず、日銀がさらに円売り介入でもしようものなら、さらに外債を買い増すことになります。潜在的な円高リスクはさらに増すでしょう。

じゃあ、どーしたらいいんだ?って話ですよね。(ようやくここまで来たか)

これは私自身、本当に必死になっていることですが、キャッシュフローに気をつけることが一番だと思います。入って来るものの安定化を図り、不安定要素は整理する(私の場合は藤が丘店)。で、固定コストはなるべく抑えて、とにかく差し引き黒にする。利益を生まない資産は整理して、負債は減らす。まあ、当たり前のことなんですが、さらにシビアに考えないと私自身生き残れないと思っています。

ご商売をされていない方も基本的には同じです。収入内に支出を抑えることは当たり前ですが、あまり将来のキャッシュフローを当てにしないこと、それから現在のキャッシュフローを失わないことだと思います。つまり、借入金で大きな買い物をしたり、仕事を安易に辞めたりしない方が無難ということです。もちろん人それぞれですから、それが全然大丈夫な人もたくさんいます。あくまで一般論として。

それから、外貨預金や外債投資はしないこと、株も個別で特に理由がなければやめた方がよいと思っています。出ている情報が全てとは限りませんからね。やっぱり円で持っているのが一番なのではないかと。ま、いろいろ書きましたが、これからは大体そんなとこじゃないかと。でも、自分が一番実践できてないじゃないか!、と自分自身に突っ込みを入れつつ、お後がよろしいようで。
by martano | 2008-10-23 11:06 | 社長のひとりごと
<< 予告先発 歴史の転換期 >>


S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
関連リンク
カテゴリ
全体
マルターノ新着情報
社長のひとりごと
あざみ野南「エリアA]
トリビアル・マルターノ
マルターノストーリー
今週のランチメニュー
ライブ告知
未分類
以前の記事
2011年 05月
2011年 03月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧