人気ブログランキング | 話題のタグを見る
メールの真偽
今、我々の貴重な時間を使って論議されている送金メール問題について一言。

まず、メールというものはただの文字情報であって、突き詰めると0と1の羅列に過ぎません。したがって、筆跡鑑定などができる手書きの手紙などとは決定的に違い、犯罪の決め手になるような証拠とはなりにくい、というのが技術者としての見解です。

しかしながら、実はメールには皆さんが普段目にする以上の情報が入っています。これはヘッダー情報というもので、ここにはそのメールが経由したサーバーの記録やサーバーが発行したメッセージIDなどが残っています。通常の設定ではメールソフトはこれを表示しませんが、設定を変えれば大抵見ることができます。

実は、メールの真偽を判断するのに重要な情報はこの中にあります。先にも述べた通り、突き詰めればただの文字情報ですから、仕組みがわかっている技術者なら、このヘッダーも含めて、かなりそれらしいものを偽造することは簡単です。

しかしながら、経由したサーバーの全てのログを含めて整合性をとるのは簡単ではありません。つまり、何日何時何分に特定のサーバーを経由したように偽造しても、実際にそのサーバーのログまで改ざんすることは、そのサーバーへアクセスできない限り不可能だからです。

したがって、全ての整合性がとれれば、そのメールが実際にその経路を通って送信された可能性が高い、つまり本物だということになります。ただし、それを誰が送ったかということはまた別に立証しなければ、ただの状況証拠ということになるでしょう。

そこで、今回の送金メールです。
民主党が公開しているメールのPDF

ここには通常皆さんが目にする最低限のヘッダー情報しかありません。つまり、肝心のサーバー情報が一切ないのです。どうでもいいことを黒塗りにしていますが、それなら全ヘッダー情報を表示した上で黒塗りをすればより信憑性が増すのに、何故そうしなかったのでしょうね。

民主党があれだけ強行に主張するからには、それを入手した経緯とか、入手先に信頼がおけるというようなことだと思いますが、残念ながら、このメールのコピー自体には何ら有用な情報は含まれていません。

言うなれば、これは恐竜の絵を見て「恐竜がいた」と主張しているに過ぎず、骨の一かけらも見つかっていない状態です。絵を描いた人物がどれだけ信用できるかわかりませんが、公表している情報があまりに無意味というのは否めない事実です。
by martano | 2006-02-23 00:39 | 社長のひとりごと
<< ランチメニュー表示の変更 ホワイトデー撲滅運動 >>


S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
関連リンク
カテゴリ
全体
マルターノ新着情報
社長のひとりごと
あざみ野南「エリアA]
トリビアル・マルターノ
マルターノストーリー
今週のランチメニュー
ライブ告知
未分類
以前の記事
2011年 05月
2011年 03月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧